杉並区高円寺・阿佐ヶ谷の都甲紀子ピアノ教室 ~音楽の楽しみ~

絶対上手くなるチェルニー練習法!チェルニー30番の1番

      2020/05/16

ピアノを教えて30年以上のピアノ講師が教える、絶対上手くなるチェルニーの練習法♪

チェルニーはこの30年間ずーっと教えてきましたので、熟知しているどころか寝ていても教えられます!

そんな私が今回はチェルニー30番の練習方法を詳しく解説してみることにしました。

これを読んでから練習すると上手くなること請け合いです!

まずは曲を聴いてみましょう!気楽に始められるようにゆっくり弾いています。

背景はちょっと遊んでみました笑笑

さあ、まずはこの曲を練習するとどんな効果があるのか知りましょう。

チェルニー30番の1番、練習の目的

・片手でニ声を弾くことにより指の独立性と均一性、耳を養う。

まずニ声というのは、和音でポンと二音同時に弾くということではなく、メロディが片手に2個あるという状態です。

チェルニー30番を始めた学習者は、きっとその前にチェルニー100番を練習していたはず。

普通はチェルニー100番を最後まで弾くとなかなかチェルニー30番に入れないので、途中までやってチェルニー30番に入ります。

因みにうちの教室では、チェルニー100番の30番まで行ったら、チェルニー30番に入ることにしています。

さて、そんなチェルニー100番では、片手でニ声を弾く所は少ししか出てきません。

片手でドからラかシまでしか届かないお子さんにとって、二声を押さえるのは大変ですし、指の強度もまだ足りませんからね。

その逆でチェルニー30番に入る頃の学習者は、成長と練習により手の大きさや強度が伴って来ています。

そこでニ声の練習が可能になります。

1番の楽譜を見てみましょう。

ニ声は1小節目の左手から出てきます。

9小節になると両手ともニ声です。

このように5や1の指の音を長く押さえながら弾くので、それぞれの指の独立性と均一性を足します。

そしてニ声を聴き分けて弾く必要があるので、耳の練習にもなりますね。

・長い練習曲を弾くことで集中力を養う。

チェルニー100番の曲の長さは、この1番の半分以下の曲が殆どです。

それが急に倍になり、繰り返しをするのですから相当長くなったと言えます。

これを最後まで間違えずに弾こうとすることで集中力が養われますね!

・白鍵だけで指の形を整え、速く弾けるようにする。

チェルニーはどの教則本もそうですが、ハ長調から始まります。

やはり黒鍵がない曲の方が弾きやすいからです。

この1番は黒鍵が一つも出て来ません。チェルニー、潔いですね!笑笑

次は具体的に練習して行きましょう!

1.譜読み

・片手ずつ

譜読みに役立つようにゆっくり片手ずつ弾いている動画です。

この1番は左右ともに、単純な2拍のメロディを4回や2回ずつ繰り返すことが多いので、譜読みはシンプルです。

黒鍵もないので、その点でも読みやすく弾きやすいですね。

4小節の左手はミソミソと繋げて、5の指のドはもう一度ドを弾く少し前に上げます。

9小節の右手のニ声からは、キター、チェルニー30番の練習だー!と思うかも知れません笑

特に11小節は5を押さえながら、2、3、4の繰返しが弾きにくいので、5をグッと押さえて2、3、4は軽くね。

15小節の左手の終わりの音をスラーで繋ぐのを忘れずに。

17小節から右手は1の指を押さえて他の指を動かします。

特に21小節の5、4、3の指を動かすのが最初は大変かも知れませんから1をグッと押してその他の指は軽くね。

23、24小節の左手はレガートで繋げて。

30小節の左手の最後の音から後、スラーをちゃんと付けてください。

前半も後半も終わる音はスタッカートで軽快に!

・両手にしてから

両手にするのは一番上の動画を参考にしてください。

片手ずつがかなり慣れて来たら両手に。

片手の時はニ声もそんなに気にならなくても、両手だと四声になっている所があり、弾きにくい感があると思います。

でもとにかく長い音をグッと押さえてあとはなるべく軽く弾くようにしてみてください。

そうすればだんぶ楽なはず。

2.譜読みが終わってからの練習方法

両手が慣れて来たらいよいよこれからチェルニー先生の意図した練習です!

片手にニ声ある部分は、最初はかなりリズムが転んでしまいます。

でも大丈夫、みんなそうですから!

それを弾きやすくするのは、なんと言ってもリズム練習です!

鉛筆の手書きですみません笑笑

①から③は三連符のそれぞれ一音目、二音目、三音目を長くアクセントを付けながら練習します。

④以降は三連符×2個の6連符と考えて、それぞれ一音目、二音目…と長くしながらアクセントを付けて練習します。

大事なことはリズム練習の時はアクセントはffで、それ以外の音はppで軽く弾くということです。

弾いてみると変なリズムですが、均等にリズムを刻むことで指の独立性と均一性を高めます。

リズム練習は全部を同じ頻度でやる必要はなく、やってみて自分のやりにくいリズムをたくさん練習してください。

さてさて、強弱もつけてそれなりに弾けて来たら、ゆっくり目にメトロノームに合わせてみましょう。

すると簡単な所はメトロノームが遅く感じますが、弾くにくい所は合わなくて、ちょっと待って!と言いたくなります。

そこをメトロノームに合うまであの手この手で練習しましょう!

どの段階でもそうですが、練習は全部同じ頻度でする必要はありません。

もう弾けている所は忘れない程度に弾いて、弾けない所の練習に時間を使ってください。

つまみ洗いでもするように集中的にね!

3.テンポを速くしていく

さあ、メトロノームに合ったら、少しずつ速くして行きましょう!

先に言っておきますが、楽譜にあるテンポ表示は無謀に速いです。

テンポ表示(二分音符=100)通りに弾いてみたので一度聴いてみてください。

ね?これをチェルニー30番の学習者に求めるのは無謀ですよね。

ですから皆さんはこのテンポ表示は無視してください。

目標は二分音符=88くらいで充分です!

速くして行くポイントはいくつかあります。

まずは手首、腕の力を抜くこと。

簡単に言ってしまいましたが、これだけで何年もレッスンしたい内容です笑笑

力を抜く為のポイントを一つ書きます。

最終的には、テンポが速くなるほど無駄な動きは無くさなければ弾けません。

上の二分音符=100の動画を見てもらっても分かるように指先だけが少し動いているような感じが目標です。

しかし!手首や腕の力が入っていたら、物凄く疲れます。そして無理無理練習すると腱鞘炎になったりしますから気をつけて!

ではどう力を抜くかと言いと、わざと手首や腕を動かしながら弾きます。

練習して疲れる部分を弾きながら、力が抜けてリラックスするように動かしてほぐして行きます。

リズム練習の時も同様です。

力を抜くためにはワザと動かして引っかかっている場所をほぐすのです。

私は練習する時に肩や首まで動かしてほぐすこともあります。決して人には見せられない滑稽な姿です笑笑

・無駄な動きを止める

力が抜けて来たら動画のように無駄な動きをやめて行きます。

それは手や腕だけでなく胴体もです。

体がグニャグニャしていたら、そのグニャグニャに「揺さぶられ」てとても弾きにくいからです。

頭も動くと視界も動いてしまうで、集中もしにくいというデメリットもあります

胴体をシャン!として、人に少し押されても動かないくらいを心がけて。

まとめ

練習の目的 

片手でニ声弾くことによる指の独立性と均一性、耳を養う。

長い練習曲を弾くことで集中力を養う。

練習のポイント

二声は長い音をグッと押さえてあとはなるべく軽く弾くように。

弾きにくい所はリズム練習。

メトロノームに合わせて。目標は二分音符=88程度。

弾きにくい部分だけをできるまで練習。

はやく弾くためには手首、腕の力を抜いて無駄な動きを極力なくす。

この練習法は全てのチェルニーの曲や他の作曲家の練習曲にに応用できます。

どんな方法も読んだだけでは上手くなりませんから、是非今日から練習に取り入れてみてください!!

 

 - Topics, ピアノ, ピアノが上手くなる練習法, 杉並・高円寺・阿佐ヶ谷, 桐朋音大受験, 絶対音感, 都甲演奏

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